データアナリストが学ぶべきトップ10のPythonライブラリ

Pythonは、そのシンプルさ、柔軟性、強力なライブラリのおかげで、データ分析の分野で最も人気のあるプログラミング言語の1つとなっています。これにより、データの分析、視覚化の作成、複雑な分析の実行に優れたツールとなっています。

データアナリストとしてのキャリアを始めたばかりの方や、ツールキットを拡張したい方にとって、適切なPythonライブラリを知っておくことは、Pythonでの生産性を大幅に向上させることができます。

この記事では、すべてのデータアナリストが知っておくべき10のPythonライブラリを探求し、それらをシンプルな用語とデータ分析の問題を解決するための使用例に分解して説明します。

1. Pandas – データ整形を簡単に

Pandasは、データの操作と分析のために特別に設計されたオープンソースライブラリです。構造化データ、例えばテーブルやCSVファイルを簡単に扱えるようにするための2つの主要なデータ構造、Series1次元)とDataFrame2次元)を提供します。

主な機能:

  • 欠損データの効率的な処理。
  • データの集約とフィルタリング。
  • データセットの簡単なマージと結合。
  • CSV、Excel、SQL、JSONなどのフォーマットからのデータのインポートとエクスポート。

なぜ学ぶべきか?

  • データのクリーニング:Pandasは、欠損値、重複データ、およびデータ変換の処理に役立ちます。
  • データの探索:トレンドを探索するためにデータを簡単にフィルタリング、ソート、グループ化することができます。
  • ファイルの操作:PandasはCSV、Excel、SQLなど、さまざまなファイル形式からデータを読み書きすることができます。

Pandasの基本的な使用例:

import pandas as pd

# Create a DataFrame
data = {'Name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie'], 'Age': [25, 30, 35], 'City': ['New York', 'Paris', 'London']}
df = pd.DataFrame(data)

# Filter data
filtered_data = df[df['Age'] > 28]
print(filtered_data)

2. NumPy – データ操作の基盤

NumPy数値計算用Python)は、大規模な多次元配列や行列をサポートし、それらに対してさまざまな数学的な関数を提供する、数値計算のための最も基本的なPythonライブラリです。

NumPyはしばしばPandasなどの高度なライブラリの基盤となり、数字や大規模なデータセットを扱うためのデフォルトのライブラリとして使用されます。

主な特徴

  • 数学関数(平均、中央値、標準偏差など)。
  • 乱数生成。
  • 配列の要素ごとの演算。

なぜ学ぶべきか?

  • 効率的なデータ処理:NumPy配列はPythonのリストよりも高速でメモリを少なく使用します。
  • 数学演算: 大規模なデータセットに対して、加算、減算、乗算およびその他の数学的演算を簡単に実行できます。
  • ライブラリとの統合: Pandas、Matplotlib、Scikit-learnを含む多くのデータ分析ライブラリは、データ処理のためにNumPyに依存しています。

NumPyの基本例:

import numpy as np

# Create a NumPy array
arr = np.array([1, 2, 3, 4, 5])

# Perform element-wise operations
arr_squared = arr ** 2
print(arr_squared)  # Output: [ 1  4  9 16 25]

3. Matplotlib – データ可視化

Matplotlibは、Pythonでさまざまな静的、アニメーション、インタラクティブなプロットを作成できる強力な可視化ライブラリです。

棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、ヒストグラムなどのグラフを作成するための定番ツールです。

主な機能:

  • 折れ線グラフ、棒グラフ、散布図、円グラフ。
  • カスタマイズ可能なプロット。
  • Jupyterノートブックとの統合。

なぜ学ぶべきですか?

  • カスタマイズ可能なプロット: プロットの外観(色、フォント、スタイル)を微調整できます。
  • 幅広いプロット: 基本的なプロットからヒートマップや3Dプロットのような複雑な可視化まで。
  • ライブラリとの統合: MatplotlibはPandasNumPyと良く連携し、これらのライブラリから直接データをプロットするのが容易です。

Matplotlibの基本例:

import matplotlib.pyplot as plt

# Sample data
x = [1, 2, 3, 4, 5]
y = [2, 4, 6, 8, 10]

# Create a line plot
plt.plot(x, y)
plt.title('Line Plot Example')
plt.xlabel('X-axis')
plt.ylabel('Y-axis')
plt.show()

4. Seaborn – 高度な統計的可視化

SeabornMatplotlibの上に構築されており、魅力的で情報豊かな統計グラフィックを描画するための高レベルインターフェースを提供します。

ボックスプロット、バイオリンプロット、ペアプロットなどの複雑な可視化を作成するプロセスを簡素化します。

主な機能:

  • 美しいデフォルトスタイル。
  • ヒートマップ、バイオリンプロット、ペアプロットなどの複雑なプロットのための高レベル関数。
  • Pandasとの統合。

なぜ学ぶべきか?

  • 統計的可視化: Seabornは異なるデータ特徴間の関係を視覚化するのを簡単にします。
  • 美的向上: プロットに自動的により良いスタイルとカラースキームを適用します。
  • Pandasとの互換性: DataFramesを直接Pandasからプロットできます。

Seabornの基本的な使用例:

import seaborn as sns
import matplotlib.pyplot as plt

# Load a sample dataset
data = sns.load_dataset('iris')

# Create a pairplot
sns.pairplot(data, hue='species')
plt.show()

5. Scikit-learn – 簡単な機械学習

Scikit-learnは、機械学習のための広く使用されているPythonライブラリで、監視学習と非監視学習アルゴリズムに焦点を当てたデータマイニングとデータ分析のためのシンプルで効率的なツールを提供します。

主な特徴:

  • データの前処理。
  • 教師あり学習と教師なし学習アルゴリズム。
  • モデル評価とハイパーパラメータの調整。

なぜ学ぶべきか?

  • 機械学習モデル: Scikit-learnは、線形回帰、決定木、k平均クラスタリングなどのさまざまなアルゴリズムを提供しています。
  • モデル評価: データセットの分割、モデルの性能評価、ハイパーパラメータの調整のためのツールを提供します。
  • 前処理ツール: Scikit-learnには、特徴スケーリング、カテゴリ変数のエンコード、欠損データの処理のための組み込み関数があります。

使用例 Scikit-learn:

from sklearn.linear_model import LinearRegression
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.datasets import load_boston

# Load dataset
data = load_boston()
X = data.data
y = data.target

# Split dataset into training and testing sets
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.2, random_state=42)

# Train a linear regression model
model = LinearRegression()
model.fit(X_train, y_train)

# Predict and evaluate
predictions = model.predict(X_test)
print(predictions[:5])  # Display first 5 predictions

6. Statsmodels – 統計モデルとテスト

Statsmodelsは、統計モデルのためのクラスと関数を提供するPythonライブラリです。仮説検定、回帰モデルのフィッティング、時系列分析を行うためのツールが含まれています。

主な特徴:

  • 回帰モデル。
  • 時系列分析。
  • 統計テスト。

なぜ学ぶべきか?

  • 回帰分析: Statsmodelsは、普通最小二乗法(OLS)やロジスティック回帰など、複数の回帰手法を提供しています。
  • 統計テスト:t検定、カイ二乗検定、およびANOVAなど、多くの統計テストを提供します。
  • 時系列分析:Statsmodelsは時系列データの分析と予測に役立ちます。

Statsmodelsの基本的な使用例:

import statsmodels.api as sm
import numpy as np

# Sample data
X = np.random.rand(100)
y = 2 * X + np.random.randn(100)

# Fit a linear regression model
X = sm.add_constant(X)  # Add a constant term for the intercept
model = sm.OLS(y, X).fit()

# Print summary of the regression results
print(model.summary())

7. SciPy – 高度な科学技術計算

SciPyは、NumPyを基盤とし、科学技術計算のための追加機能を提供するオープンソースライブラリです。

最適化、積分、補間、固有値問題、および他の高度な数学演算のアルゴリズムが含まれています。

主な機能

  • 最適化。
  • 信号処理。
  • 統計関数。

なぜ学ぶべきか?

  • 科学計算:SciPyには複雑な数学問題を解決するための幅広いツールが含まれています。
  • 最適化アルゴリズム:問題の最適解を見つけるための手法を提供します。
  • 信号処理:データ内の信号をフィルタリングし、トレンドを検出し、信号を分析するのに役立ちます。

SciPyの基本的な使用例:

from scipy import stats
import numpy as np

# Perform a t-test
data1 = np.random.normal(0, 1, 100)
data2 = np.random.normal(1, 1, 100)

t_stat, p_val = stats.ttest_ind(data1, data2)
print(f'T-statistic: {t_stat}, P-value: {p_val}')

8. Plotly – インタラクティブな可視化

Plotlyは、インタラクティブなウェブベースのビジュアライゼーションを作成するためのライブラリです。ユーザーがズームインしたり、ホバーしたり、データと対話したりできるプロットを作成することができます。

主な特徴:

  • インタラクティブなプロット。
  • 3Dプロットのサポート。
  • ダッシュボードを構築するためのDash統合。

なぜ学ぶべきか?

  • インタラクティブプロット: Plotlyは、ユーザーがデータと対話できるグラフを簡単に作成できます。
  • ウェブ統合: Plotlyのプロットをウェブアプリケーションに簡単に統合したり、オンラインで共有したりできます。
  • リッチなビジュアライゼーション: 3Dプロット、ヒートマップ、地理マップなど、さまざまなビジュアライゼーションをサポートしています。

使用の基本例 Plotly:

import plotly.express as px

# Sample data
data = px.data.iris()

# Create an interactive scatter plot
fig = px.scatter(data, x='sepal_width', y='sepal_length', color='species')
fig.show()

9. OpenPyXL – Excelファイルの操作

OpenPyXLは、Excel .xlsxファイルを読み書きするためのPythonライブラリです。ビジネスや金融の環境で一般的なExcelデータを扱う際に便利なツールです。

主な特徴:

  • .xlsxファイルの読み書き。
  • Excelファイルにチャートを追加。
  • Excelのワークフローを自動化。

なぜ学ぶべきか?

  • Excelファイルの扱い: Openpyxlを使用すると、データの読み取り、書き込み、フォーマットなど、Excelに関連するタスクを自動化できます。
  • データ抽出: Excelファイルから特定のデータポイントを抽出し、Pythonを使用して操作できます。
  • レポートの作成: 自動化されたレポートをExcelに直接生成します。

OpenPyXLの基本的な使用例:

from openpyxl import Workbook

# Create a new workbook and sheet
wb = Workbook()
sheet = wb.active

# Add data to the sheet
sheet['A1'] = 'Name'
sheet['B1'] = 'Age'

# Save the workbook
wb.save('data.xlsx')

10. BeautifulSoup – ウェブスクレイピング

BeautifulSoupは、ウェブスクレイピングに使用される強力なPythonライブラリで、HTMLおよびXMLドキュメントからデータを抽出します。ウェブページを解析して必要なデータを引き出すのが簡単になります。

使いやすい形式(CSVやJSONなど)で利用できないウェブデータを扱う場合、BeautifulSoupはウェブページのHTML構造と対話できるようにすることで助けてくれます。

主な機能:

  • HTMLおよびXMLドキュメントの解析。
  • 特定の要素(例:タグ、属性)の検索と抽出。
  • データを取得するためのrequestsとの統合。

なぜ学ぶべきか?

  • ウェブスクレイピング: BeautifulSoupは、複雑なHTMLおよびXMLドキュメントからデータを抽出するプロセスを簡素化します。
  • ライブラリとの互換性: ウェブページをダウンロードするためのrequestsや、データを構造化された形式で保存するためのpandasともうまく連携します。
  • 効率的な検索: タグ、クラス、IDで要素を検索したり、CSSセレクタを使用して探している正確なコンテンツを見つけたりできます。
  • データのクリーンアップ: 多くの場合、ウェブサイト上のデータは散らかっています。BeautifulSoupは、関連する部分をクリーンアップして抽出し、分析を容易にします。

BeautifulSoupの基本的な使用例:

from bs4 import BeautifulSoup
import requests

# Fetch the web page content using requests
url = 'https://example.com'
response = requests.get(url)

# Parse the HTML content of the page
soup = BeautifulSoup(response.text, 'html.parser')

# Find a specific element by tag (for example, the first <h1> tag)
h1_tag = soup.find('h1')

# Print the content of the <h1> tag
print(h1_tag.text)
結論

散らかったデータをクリーンアップするにせよ、洞察を視覚化するにせよ、予測モデルを構築するにせよ、これらのツールはデータアナリストとして成功するために必要なすべてを提供します。小さなプロジェクトで練習を始め、すぐに実際のデータ課題を簡単に解決できるようになります。

Source:
https://www.tecmint.com/python-libraries-for-data-analysis/